2023年自転車遍路一周について、つらつら書き留めます。
四国内自転車走行
四国内の自転車走行は、2023年10月17日07時57分JR多度津駅前発から、11月06日15時35分多度津駅前着までの、21日間。走行距離は1556.17km( STRAVAによる端数処理あり )。この走行距離には、各寺社境内での歩行距離に、八栗ケーブルカーの登り、太龍寺と雲辺寺のロープウェイ往復、高知県営渡船片道を含むが、横峰寺登山参拝バスの往復は含まない。
21日間かかったけれども、そのうち2日は余計にかかったと言える。
- 12日目(10月28日)の宿は宇和島市内を予定していたが、広い範囲で宿が取れなかったため四万十市中村に再度泊まって、宇和島には翌日の泊まりとなった。順調に行けば1日短縮できた。
- 19日目(11月04日)に発生したホイールのトラブルでは、リカバリーに丸1日と2時間56分かかった。
なので、トラブルが無ければ19日間で一周できたであろう。
参拝対象
今回の参拝対象は、
- 四国八十八ヶ所の札所88ヶ寺全部。出釈迦寺(73番)は打ち始めと打ち終わりの2回なので、のべ89ヶ所。
- 元札所の神社。白峰宮(元79番)、田村神社(元83番)、一宮神社(元13番)、神峯神社(元27番)、土佐神社(元30番)、高岡神社(元37番)、稲荷神社(元41番)、別宮大山祇神社(元55番)、石清水八幡神社(元57番)、一之宮神社(元62番)、石鎚神社(元64番)口之宮本社、琴弾八幡宮(元68番)。秦神社(33番旧地)は元札所ではないが、ここに加えて、計13ヶ所。
- 重要な番外札所。大月町の月山神社と、愛南町は篠山の代わりとしての札掛篠山神社。室戸市では佐喜浜町の佛崎、室戸岬のみくろ洞、行当岬の不動堂。
- 崇徳天皇関連史跡。
- 他に納経印を頂いた番外札所は、真念庵、龍光院(別格6番)、十夜ヶ橋(別格8番)の3ヶ所。別格二十霊場には拘らなかった。
- 幾つかの奥之院、前札所、その他の番外札所については、近場にあったら参る、道中にあったら立ち寄る、休憩あるいは時間調整を兼ねて立ち寄る、といった具合であった。
元札所の神社は、稲荷神社(元41番)以外は相応に時間を食う。なので、これらを除外すればさらに1日は短縮可能だ。
参拝手順
八十八ヶ所札所での参拝手順は以下のように行った。
山門から入る
原則として、山門から境内に入る。駐車場から直接境内に入っても、一度山門を出てすぐ入る。例外は多数。
初期の頃は、山門を撮影してから撮影を中断し、輪袈裟を出して、山門に入っていた。しかし、わりと早くから、山門入って本堂に着くまで撮影し、本堂前のお勤め準備として輪袈裟を着けるようになった。
本堂でお勤め
- (輪袈裟を着けて、)蝋燭1本、線香3本、ライター、賽銭2枚を用意する。納札2枚を経本に挟んでおくが、まだバッグの中。
- 献灯。ライターで蝋燭に灯を点けて、その蝋燭を灯明台に置く。なるべく上段あるいは奥。
- 献香。自分で点けた蝋燭を用いて、線香に着火し、線香の炎を消してから香炉に置く。なるべく中央あるいは奥。
- ライターをバッグに戻し、納札を挟んだ経本と、数珠を用意する。
- 納札1枚を納札箱に納める。
- 賽銭1枚を賽銭箱に納めて、合掌礼拝。
- 少し脇に外れて、読経。
- 開経偈
- 懺悔文
- 三帰、3遍
- 三竟、3遍
- 十善戒、3遍
- 発菩提心真言、3遍
- 三摩耶戒真言、3遍
- 般若心経
- 御本尊御真言、3遍
- 光明真言、3遍
- 高祖宝号、3遍
- 回向文
- 経本と数珠をバッグに戻す。
大師堂でお勤め
- 蝋燭1本、線香3本、ライターを用意する。
- 献灯。
- 献香。
- ライターをバッグに戻し、納札を挟んだ経本と、数珠を用意する。
- 納札1枚を納札箱に納める。
- 賽銭1枚を賽銭箱に納めて、合掌礼拝。
- 少し脇に外れて、読経。本堂前での読経メニューから御本尊御真言のみを省略。
- 経本と数珠をバッグに戻す。
納経所で納経印を頂く
写真撮影
撮影対象は、山門、本堂、大師堂、文化財等の説明板、古そうなお堂・石塔、各堂の扁額、印象的な風景など。鐘は撞かないので、鐘楼を撮影することは少なかった。
出釈迦寺、曼荼羅寺(72番)、善通寺(75番)、田村神社については、2022年遍路の時に撮影済みなので、今回の遍路での撮影は少ない。
退出
退出時は特に山門からとは拘らない。
輪袈裟を外すタイミングは、これも初期の頃は山門出てから外していたが、そのうち、納経所を出たら外して、納経帳と一緒にしまうようになってしまった。
その他
- 手水は、昨今の事情により、水を流していない札所、柄杓の無い札所も多かった。
- 鐘は撞かなかった。撞いて良い札所と駄目な札所がある、民家の近くだとうるさい、などが気になったので。山中の札所で撞く考えもあったのだが、忘れてしまった。
- 賽銭は、5円玉を使用。番外札所や神社でも、納経料または御朱印代を出した場合は5円玉、そうでない場合は50円玉を使用。
プランニング
1日の行程の見積り方法。
- 自転車移動速度は15km/h、獲得標高100m毎に6分40秒(=400秒)追加。これには小さな祠・番外札所などの参拝時間、トイレ休憩、コンビニ・自販機休憩、信号待ちを含む。実際に走ってみると、都市部を除いて信号待ちが非常に少なく、また、そこまで暑くなかったのでドリンク休憩も少なかった。つまり、見積り以上に速く移動できた。
- 札所での参拝・納経時間は30分。元札所の神社での参拝時間は15分。実際には狭い札所なら30分、広ければ1時間以上かかった。神社は数分から1時間以上までバラバラ。
- 昼食時間は30分。
- ケーブルカーとロープウェイの登り便は、発車間隔分だけ待つことを想定。
- 朝方は7時半ぐらいに出発。夕方は17時過ぎぐらいまで。昼食を除く活動時間は最大9時間程度。朝は宿で必ず朝食をたっぷり食べるので、そんなに早くは出られない。夕方は、納経所が17時に閉まることと、日没が早いことが制約条件となる。
- 各日の開始・終了ポイントは、宿泊施設が近くにある場所にする。
ルートの選定方針
- 歩道の無いトンネルは、距離や交通量にもよるが、なるべく避ける。
- 国道11号や、交通量のある区間の国道55号、56号は、なるべく避ける。
- 登り坂は、急坂よりは遠回りでも緩い坂。交通量の少ない道。
- 降り坂は、つづら折りや細道よりは、直線一気で幅広の道。
- 鉄道は、跨線橋よりも地下道、地下道よりも踏切で渡る。
- 交通量さえ少なければ、直線的な道、平坦な道、一時停止や信号の少ない道を優先する。
- 舗装されていれば、歩きのへんろ道も優先したい。
なぜこの時期(季節)に走ったか
- 冬は最初に除外。久万高原や横峰寺(60番)平野林道などでは降雪・積雪・路面凍結の可能性があるから。参考までに、平野林道は12月下旬から2月末日まで冬季閉鎖。
- 夏は暑いし、台風が来ても困る。まあ、普通の自転車旅行なら暑くても水をぶっかければ良いのだが、荷物があるとそうもいかない。近年は夏が長い。
- 梅雨は雨が多くて困る。雨が少なければ暑い夏の扱い。
- 残るは春と秋。春の方が日照時間が長いのだが、遍路の場合は納経所が17時に閉まるので、あんまりアドバンテージにはならない。そして、雨は春の方が多め。
- 秋は暑すぎず寒すぎず、雨も少ないので一番良い。
- 最後に、covid-19ワクチンのタイミングがあった。
実際、今回の21日間の遍路では、雨がパラついたのが2日、それも少しだけで、雨具は使わなかった。
雑感 of 雑感's
- たいていの宿には使い捨ての歯磨き、歯ブラシ、髭剃りがあるので、自分で持ってこなくても良かった。自前のものを朝に使うと、乾かないうちにバッグにしまうんだな。
- 宿の予約は、初期は当日昼頃に進捗状況を見ながら決めていた。へんろ向け宿を多用した。しかし、だんだんと予約が取りづらくなって、早めの予約、ビジネスホテル優先に変わっていった。ちょっと残念。宿坊も十楽寺(7番)の1回だけで、これも残念。
- 元札所の神社にも参拝するという考え方からすると、それ以外の、神仏分離期以前は札所境内にあった神社にももっと参るべきだったか。
- 参拝しなかった重要な番外札所としては、篠山の他には、大三島の大山祇神社、三角寺(65番)奥之院の仙龍寺(別格13番)、琴平町の金刀比羅宮、多度津町の海岸寺(別格18番)と仏母院。挙げれば桐がないので、これぐらいにしましょう。
こんなところですか。