千葉寺十善講八十八ヶ所巡拝 寄り道 原町の原町公会堂&熊野三社大神、序に荒屋敷貝塚

(令和5年10月6日その3)
千葉寺十善講八十八ヶ所巡拝、貝塚町の西光院(11番)の次は、原町(はらまち)の正福寺(12番)へ参る途中、原町の原町公会堂と熊野三社大神に寄り道します。
西光院の境内から北東方向に戻り、すぐの三叉路、

貝塚町西光院北東すぐの三叉路
貝塚町西光院北東すぐの三叉路
真っ直ぐ行ってから通りを左折でも良いのですが、左折して、通りに出るのを遅らせます。でも結局は通りに出てしまい、そのまま北へ進むと、国道51号バイパスに出る直前で、
荒屋敷貝塚前
荒屋敷貝塚前
右手に何やらありますので、寄ってみます。

荒屋敷貝塚

寄ってみるとこれが、国指定史跡の荒屋敷貝塚でした。

荒屋敷貝塚
荒屋敷貝塚
荒屋敷貝塚説明板
荒屋敷貝塚説明板
これに拠れば、所在地は千葉市若葉区貝塚町726-1他、貝塚の貝層形成以前から生活が営まれていたが、貝層の土器片は縄文中期から後期のものらしい。これを含めて、この辺りの貝塚を、貝塚町貝塚群という。
bunka.nii.ac.jp
www.pref.chiba.lg.jp
www.city.chiba.jp
荒屋敷貝塚と石塔
荒屋敷貝塚と石塔
ただ、特別史跡加曽利貝塚のような復元物などはなく、草ぼうぼうなので、見た目はただの野原です。ちょうど真下を京葉道路・国道16号がトンネルで通過しています。史跡保護のためのトンネルでしょう。
さて、道に戻ってこのまま国道51号バイパスを横断します。その先で道が右にカーブするところ、左手にまた石塔です。

草刈場貝塚

草刈場貝塚前
草刈場貝塚前
草刈場貝塚石塔
草刈場貝塚石塔
ここは、貝塚町貝塚群に属する、草刈場貝塚だそうです。特に史跡指定は無いようです。
さて、道を進んで、北貝塚小学校南交差点を直進、同小学校横の谷を下って上って、今度は北貝塚小学校北交差点、
千葉市若葉区都賀の北貝塚小学校北交差点
千葉市若葉区都賀の北貝塚小学校北交差点
ここは左折、JR総武本線の跨線橋を渡っての下り、
千葉県道64号原陸橋交差点
千葉県道64号原陸橋交差点
原陸橋交差点を左折して千葉県道64号に入り、すぐ次の原町入口交差点、
千葉県道64号原町入口交差点
千葉県道64号原町入口交差点
ここを右折して、県道とは早々に別れ、しばらく道なりに進みます。やがて、昔は直角に折れていたのを、自動車用に曲線道路を付けたような所に出くわします。
原町公会堂東のコーナー
原町公会堂東のコーナー
その先にある青い屋根の建物が原町公会堂、公会堂後方の緑は熊野三社大神という神社の杜です。

原町の熊野三社大神

熊野三社大神、千葉市若葉区原町110番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
まず、このコーナーは旧道を直進して左に折れると、右手に三山供養塔群があります。これが神社境内の北東端になるようです。神社参道は、道路をさらに進んでから左に切り返して始まり、参道真っ直ぐに社殿、社殿の右前に摂末社群、その右・道路側に原町公会堂、公会堂の前に石碑類、参道途中右に道路を向いて石仏があります。なお、大師堂は見当たりません。

三山供養塔群

原町熊野三社大神三山供養塔群
原町熊野三社大神三山供養塔群
この中で手前にある古い供養塔は、
原町熊野三社大神三山供養塔群前列正面左面
原町熊野三社大神三山供養塔群前列正面左面
原町熊野三社大神三山供養塔群前列左の正面原町熊野三社大神三山供養塔群前列右の正面右面
原町熊野三社大神三山供養塔群前列
左の供養塔は、正面の中央「湯殿山奉造立大日如来」、その左右上部「月山 羽黒山」、左右中部「安永三甲午天 二月大吉日」、右下「原村」、左面「文化四卯二月吉日」、右の供養塔は、正面の中央「湯殿山 供養塔」、その左右「月山 羽黒山」、左面「嘉永五壬子年閏二月吉日」とあります。(安永3年=1774年、文化4年=1807年、嘉永5年=1852年)
後列の石碑では、中央「月夜見尊」(月山)、右「稲倉魂命」(羽黒山)、左「大山祇命」(湯殿山)と神仏分離後の神道形式で刻まれ、月山と羽黒山の表記位置が逆転しています。
原町熊野三社大神三山供養塔群から北方
原町熊野三社大神三山供養塔群から北方
この神社は台地の上にあります。

参道・鳥居

原町熊野三社大神
原町熊野三社大神
原町熊野三社大神鳥居
原町熊野三社大神鳥居
鳥居の神額には「熊野三社太神」とあります。
原町熊野三社大神参道
原町熊野三社大神参道

手水鉢

原町熊野三社大神手水鉢
原町熊野三社大神手水鉢
手水鉢には「天保四癸巳年」とあります。(天保4年=1833年)

常夜灯

原町熊野三社大神左常夜灯正面原町熊野三社大神左常夜灯背面
原町熊野三社大神左常夜灯
左の常夜灯は正面「常夜燈」、背面「天保八酉九月吉日」とあります。

社殿

原町熊野三社大神社殿
原町熊野三社大神社殿

記録碑

原町熊野三社大神記録碑
原町熊野三社大神記録碑
この「記録碑」に拠れば、昭和25年1月原町・東寺山町間の市道拡張、昭和44年8月原町土地区画整理組合が西都賀を造成、などとあります。(昭和25年=1950年) 逆に言えば、千葉市若葉区西都賀は、元は原町に属していたのでしょう。

原町公会堂

原町公会堂
原町公会堂
さて、千葉寺十善講の資料によれば、この原町公会堂の近くに番外札所がある(あった)らしいのですが、発見できませんでした。
原町公会堂入口
原町公会堂入口

石仏

こちらの石仏は、もしかしたら原町公会堂駐車場の敷地内なのかもしれません。

原町熊野三社大神南の石仏
原町熊野三社大神南の石仏
原町熊野三社大神南の石仏左原町熊野三社大神南の石仏右
原町熊野三社大神南の石仏
左の石仏は、中央最上部に梵字多数、その下「神〓 八十三村」?、右「文政三庚辰九月吉祥日」、左「願主 原村〓井村中西…」、右の石仏は、中央最上部に種字、右「奉造立…」、左「安永二〓巳」とあるようです。(文政3年=1820年、安永2年=1773年)

次回は、原町の正福寺(12番)

次回は、原町の正福寺(12番)に参ります。神社参道からそのまま道路を南西に進みます。