自転車坂東三十三観音巡拝 西明寺(20番)

(令和4年9月16日その4)
自転車で坂東三十三観音巡拝、楽法寺から西明寺までの続きです。
ちょうど、西明寺(20番)の納経所前まで来ました。納経帳をお預けして、これから参拝する旨の確認がなされて、それでは参ります。

西明寺

栃木県芳賀郡益子町大字益子4469番地。(国税庁法人番号公表サイトより)
坂東三十三観音20番。
www.fumon.jp
ja.m.wikipedia.org
そもそも、西明寺境内それ自体が、栃木県指定の史跡です。更に、境内のいろいろな物が、国・県・益子町の指定文化財になっています。ひとつひとつリンクを張れないくらいに。
www.town.mashiko.lg.jp

石柱門

西明寺石柱門
西明寺石柱門
撮影時刻は11時51分。山号は独鈷山。石柱門の先は階段参道、門の右は緩い坂道です。その門の右そばに、佐白山道の道標があります。

佐白山道道標

西明寺の佐白山道道標
西明寺の佐白山道道標
この道標の中央「右佐白山道」、その右「天保二〓卯臘月吉日」とあります。臘月は十二月の事だそうです。(天保2年=1831年) 佐白山とは、笠間にある正福寺(23番)の事でしょう。

椎林叢

参道階段上ってすぐ左に、「天然記念物西明寺の椎林叢」と大書した石柱があり、右には説明板があります。

天然記念物西明寺の椎林叢
天然記念物西明寺の椎林叢
西明寺の椎林叢説明板
西明寺の椎林叢説明板
県指定文化財です。

参道階段の踊り場

参道階段の途中、右から左に坂道が交差する所があります。その左手に、「西明寺における文化財について」と題した説明板があります。

西明寺における文化財について
西明寺における文化財について
見たところ、国・県指定文化財までで、町指定分は書いていません。
西明寺参道階段上部
西明寺参道階段上部

三重塔

参道階段を上ると、左手に三重塔が見えてきます。

西明寺参道からの三重塔
西明寺参道からの三重塔
西明寺三重塔
西明寺三重塔
西明寺三重塔部分
西明寺三重塔部分
西明寺三重塔説明板
西明寺三重塔説明板
これには、天文12年(1543年)益子家宗の建立とありますが、参道途中の説明板では天文7年(1539年)頃とありました。(正しくは天文7年=1538年) 国指定の重要文化財です。

楼門

もちろん、参道階段の先には、楼門があります。

西明寺楼門
西明寺楼門
西明寺楼門横から
西明寺楼門横から
参道途中の説明板に拠れば、延徳元年(1489年)から10年がかりで建てたそうです。国指定の重要文化財です。なお、楼門正面からの写真の左に写っている鐘楼は県指定文化財です。

西明寺旧国宝説明板

楼門の脇だったか、明治期に国宝に指定された楼門と塔婆(三重塔)についての古い説明板があります。

西明寺旧国宝説明板
西明寺旧国宝説明板
ここでの国宝は、昭和25年8月29日付で新制度の重要文化財に移行したものです。この説明板は昭和29年の解体修理時のものです。

閻魔堂

楼門から本堂への途中右手に閻魔堂があります。

西明寺閻魔堂
西明寺閻魔堂
西明寺閻魔堂説明板
西明寺閻魔堂説明板
閻魔堂は町指定文化財、中の木造閻魔王坐像・両脇侍像は県指定文化財です。

修行大師像

閻魔堂から本堂の右前に進むと、修行大師像があります。

西明寺修行大師像
西明寺修行大師像

大師堂

本堂の右には大師堂があり、中には多くの大師像が並んでいます。

西明寺大師堂
西明寺大師堂
大師堂は町指定文化財です。

本堂

やっと本堂です。

西明寺本堂
西明寺本堂
西明寺本堂部分
西明寺本堂部分
こちらで納経となります。なお、本堂内厨子は国指定重要文化財、本堂そのものと中の仏像は県指定文化財です。
西明寺本堂からの境内
西明寺本堂からの境内
室町期の雰囲気を残す、良いお寺でした。
中世、この西明寺は、地元の益子氏の勢力圏内ど真ん中にありました。益子氏は、特に坂東三十三観音成立期である鎌倉時代初期には、宇都宮氏傘下の最有力勢力でした。その宇都宮氏は、源頼朝の乳母の一人寒河尼を出した家系です。(宇都宮朝綱、八田知家、寒河尼が兄弟で、尼の夫が小山政光、尼の子が結城朝光と、有力御家人が並びます。)
それでは参道を戻り、納経所で受け取りをして、しばし休憩の後、出発です。
西明寺納経印
西明寺納経印

次回は、大六天の森

次回は、大六天の森に行ってみます。