この記事では、松戸二十一ヶ所、及び、松戸馬橋二十一ヶ所についてまとめます。
松戸二十一ヶ所の扁額一覧
今年の記事で確認した、松戸二十一ヶ所の扁額です。7ヶ所の寺院で8枚の扁額を確認しました。そのうち6枚に、東京宝来講(寳來講)の名があります。残りの2枚も東京の方が奉納されたものです。
1番 吉祥寺
真言宗豊山派、吉祥寺、松戸市根本408番地。(千葉県の宗教法人名簿より)昭和54年7月吉日(昭和54年=1979年)と新しい扁額です。この扁額には宝来講の名がありません。
9番 宝蔵院
真言宗豊山派、寶藏院、松戸市上矢切1197番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
12番 正真寺
真言宗豊山派、正真寺、松戸市栄町5丁目338番地2。(千葉県の宗教法人名簿より)
15番 長聖寺
真言宗豊山派、長聖寺、松戸市八ケ崎二丁目35番地の2。(千葉県の宗教法人名簿より)左上に松戸二十一ヶ所15番の額があります。
17番 本福寺
時宗、本福寺、松戸市上本郷2381番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
19番 栄松寺
臨済宗大徳寺派、栄松寺、松戸市南花島1丁目14番地1。(千葉県の宗教法人名簿より)2枚の扁額のうち1枚には宝来講の名がありません。
20番 常照庵
東京宝来講の関係地
松戸にある東京宝来講の関係地で、松戸二十一ヶ所の札所の可能性があります。
常行院
浄土宗、常行院、松戸市二ツ木128番地。(千葉県の宗教法人名簿より)この扁額の左に「東京寳来講世話人中」とあります。
中根の妙見神社
妙見神社、松戸市中根457番地。(千葉県の宗教法人名簿より)大師堂の右の石塔に「東京寳来講」と彫られています。
その他の松戸二十一ヶ所情報
13番? 来迎寺
浄土宗、来迎寺、松戸市松戸2175番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
ここが松戸二十一ヶ所の13番というのは、松戸市のサイトの記述に依ります。
www.city.matsudo.chiba.jp
松戸馬橋二十一ヶ所の扁額一覧
松戸馬橋二十一ヶ所の扁額は、中根寺でしか見つかりませんでした。
18番&20番 中根寺
真言宗豊山派、中根寺、松戸市馬橋1913番地。(千葉県の宗教法人名簿より)表記は「松戸馬橋廿一ヶ所」、東京弘宝講(弘寳講)によるものです。
松戸二十一ヶ所20番が常照庵にあり、松戸馬橋二十一ヶ所20番が中根寺にあるので、二つの二十一ヶ所は別物の可能性が大きいと思われます。そして、東京宝来講と東京弘宝講の違いにも着目すべきでしょう。もしかすると、これらの霊場は、東京の人が主導して成立したのかもしれません。
小林茂多氏による松戸馬橋二十一ヶ所のデータ
小林茂多氏の著書「下総のへんろ道」に記載のデータを示します。
松戸二十一ヶ所(平成2年本)
- 1番 吉祥寺
- 8番 慈眼寺
- 9番 宝蔵院
松戸馬橋二十一ヶ所(平成2年本)
- 6番 慈眼寺
- 15番 円勝寺
- 18番 中根寺
- 19番 栄松寺
- 20番 中根寺
松戸・馬橋二十一ヶ所(平成11年本)
- 1番 吉祥寺
- 6番 慈眼寺
- 8番 慈眼寺
- 9番 宝蔵院
- 15番 円勝寺
- 17番 医王寺
出典
- 平成2年本 : 下総のへんろ道〜地域信仰の歴史と霊場〜 手書き「ゼロックス本」 : 平成2年10月1日
- 平成11年本 : 下総のへんろ道 空海とともに歩む : 平成11年3月21日
筆者の注釈
小林氏は、平成2年本では、松戸二十一ヶ所と松戸馬橋二十一ヶ所を別物としつつ、「一説に同一とする説を唱える人もいる」としている。平成11年本では、「一説に別霊場ともいうが、本書では確たる証拠も見当たらないのでここでは同一と見る」として区別しない。中根寺と栄松寺の記述が消えて、医王寺が追加された理由は不明。小林氏の時代に確認できたが、今では確認できない情報もあるだろう事も留意すべき。
6番&8番 慈眼寺
真言宗豊山派、慈眼寺、松戸市松戸1509番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
15番 円勝寺
真言宗豊山派、円勝寺、松戸市古ケ崎175番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
筆者の見解 : 松戸馬橋15番のみか。松戸15番は長聖寺。
17番 医王寺
真言宗豊山派、医王寺、松戸市中金杉4丁目189番地。(千葉県の宗教法人名簿より)
筆者の見解 : 松戸馬橋17番のみか。松戸17番は本福寺。