下総四郡大師巡拝 廃寺万善寺(30番)関連

(令和4年2月23日その5)
下総四郡大師と葛飾大師の巡拝、明王院(下総四郡大師29番、葛飾大師29番&56番)の次は、万善寺(下総四郡大師30番)です。
ですが、万善寺は既に廃寺となっており、今ではその正確な場所さえ判らなくなっていますので、関係する場所に参ることとします。
明王院の山門から、右前方(東)に進み、坂を下ります。突き当りを右折します。ここから道なり約0.55km、右手坂上から道が合流する三叉路の左側に、葛羅の井の入口があります。

葛羅の井

船橋市西船6丁目4-5。
入口(道端)に説明板があります。

葛羅の井説明板
葛羅の井説明板
船橋市指定文化財(史跡)です。
www.city.funabashi.lg.jp
葛羅の井説明板から先
葛羅の井説明板から先
説明板から数メートル入ると石碑があり、その左側に、葛羅の井があります。
葛羅の井
葛羅の井
さて、道路に戻って少しだけ南にすすんで振り返ります。
葛羅の井前
葛羅の井前
この写真で、道路右手に葛羅の井説明板があります。そして、三叉路の北への道と西への坂道の間に南からの道を延長した所に、大正5年(1916年)まで、葛飾神社(葛飾明神)がありました。葛飾明神は、万善寺が別当を勤めていた神社です。
さて、葛羅の井説明板から約60m南の三叉路を左(東)に曲がって左側に、30番標識塔があります。

30番標識塔

船橋市西船6丁目4-20。

30番標識塔のあるアパート
30番標識塔のあるアパート
この写真の、奥に葛羅の井、アパートの敷地端に30番標識塔です。
30番標識塔正面左面
30番標識塔正面左面
30番標識塔右面
30番標識塔右面
標識塔の正面「准四國第三拾番」、左面「葛井山萬善寺」、右面「文化六己巳星初秋吉祥日」とあります。(文化6年=1809年)
この標識塔、以前は、アパートの三叉路の西側にあった、又、更に昔は、葛羅の井近くにあったそうです。

万善寺の情報

下総四郡大師30番。
行徳二十一箇霊場7番。
万善寺が別当を勤めていた葛飾明神は、一郡総社を称していました。一方、江戸時代の本家四国八十八ヶ所30番札所は、土佐一宮の高賀茂大明神(現 土佐神社)で、納経は別当寺である神宮寺と善楽寺で行っていました。この、葛飾郡一郡総社と土佐国一宮との対比、そして、善の字の共通性が、万善寺が30番札所に選ばれた理由かもしれません。
なお、明治になると、神宮寺、善楽寺、万善寺は全て廃寺されました。(後に善楽寺のみ再興。)
万善寺は、葛羅の井や、元の葛飾明神の近くにあったとされ、葛羅の井の三叉路から西への道沿いが有力ですが、確定してはいません。

外部サイト

葛飾明神、関連して万善寺の情報は、次の外部サイトが詳しいです。
rickos.seesaa.net

次回は、宝成寺(無番)

次回は、宝成寺(葛飾大師無番)に参ります。明王院坂下から葛羅の井と来た道をそのまま南に進みます。