吉橋組大師巡拝 大日社(4番)

(令和4年1月19日その2)
吉橋組大師巡拝、青蓮院(29番)の次は、大日社(4番)です。
青蓮院境内の西隣が、大日社のある湯殿神社です。

湯殿神社

湯殿神社、船橋市大穴北5丁目30番12号。(千葉県の宗教法人名簿より)
なお、地番は、船橋市楠が山町224番地。旧楠ヶ山村の台地端です。
下総四郡大師4番、吉橋組大師4番。

湯殿神社拝殿
湯殿神社拝殿
拝殿の右奥に、4番大師堂が見えています。

4番大師堂

4番大師堂
4番大師堂

出羽三山塔

出羽三山塔
出羽三山塔
本殿の奥、一段高い所に、「安政二年十二月吉日」(安政2年=1855年)の、湯殿山を中央に記した出羽三山塔があります。

なぜ大日社なのか

この4番大師堂は、なぜ大日社と称されるのか。これについては既に、本家四国八十八ヶ所の4番札所が大日寺という名前である事、神仏分離によって大日“社”となったのでは、という指摘があります。ここに、私見を加えます。
元々、下総四郡大師のときには、青蓮院に4番札所があるだけでしたが、四郡大師分裂後の吉橋組大師では、湯殿権現を含めた青蓮院に29番札所が追加されました。吉橋組大師の他の例では、こういう場合、4番は青蓮院、29番は青蓮院○○堂、若しくは、湯殿権現という呼称になるはずです。しかし、

  • 本家の4番札所が大日如来を本尊とする大日寺である事
  • 湯殿権現の本地仏が大日如来とされた事
  • 本家の29番札所土佐国分寺の本尊は(千手)観音菩薩である事
  • 青蓮院の本尊は(正)観音菩薩である事

等から、29番札所を青蓮院と称す一方、4番札所を湯殿権現のエリアに置いて大日寺または大日堂と称し、それが、明治の神仏分離等によって、湯殿神社の大日社になったのでしょう。

次回は西光院(7番)

次の札所は、西光院(7番)です。ショートカットは考えずに、青蓮院経由で、湯殿神社鳥居近くの県道57号線との交差点まで戻り、右折して西北西約300m弱進みます。